2022-09-29

Lunar Spells [Demise of Heaven] 2022

 

Band : Lunar Spells
Album : Demise of Heaven
Year : 2022-09
Label : Northern Silence Productions
Bandcamp, Facebook, metal-archives

ギリシャの3人組ブラックメタルバンドLunar Spellsによる2ndアルバム.2020年に結成後,EPを発表し2021年に1stアルバム[Where Silence Whispers]を発表し,本作に至る.

本作も1st同様,6曲収録で36分前後というコンパクトな作品.メンバーの写真を見るとコープスペイント,鋲の付いた衣装,釘が刺さったこん棒などオールドスクールなブラックメタルを彷彿とさせる.
最近多い独りブラックメタルユニットと違いバンド体制なので,主要な楽器は生音のため音は荒めながら,控えめなキーボードアレンジと共に疾走感を感じることができるメロブラ作品.

Lunar Spells [Demise of Heaven]
Artwork : Mars Triumph Art


2022-09-26

Here on Earth [Thallium] 2018

 

Band : Here on Earth
Album : Thallium
Year : 2018-10
Label : Lynx Music (https://lynxmusic.pl/)
Bandcamp, Facebook, Spotify, OfficialHP

ポーランドの5人組プログメタルバンドHere on Earthの2ndアルバム.2013年結成で2016年に1stアルバム[.In.Ellipsis.]でデビュー.ポーランドのプログレレーベルLynx Musicの特集ページを調べていて見つけたバンド/作品.

ポーランドのモダンプログレと言えばRiversideが出てくると思うけど,RiversideやPorcupine Tree系統のサウンドではなく,陰鬱な空気は残しつつもメタルっぽさがあるポストメタル的な作品.
専任Keyも在籍しており,メタルっぽい楽曲はEvergreyのようなダークさ,Anathemaのような浮遊感などもあり,一時期のParadise Lostみたいなモダンなゴシック風の曲調も.

1stアルバム[.In.Ellipsis.]もチェックしたけど,こちらは2ndよりメタルの要素は薄めで1stはRiversideに近い感じ.
Lynx Musicと言えば,社長を務めるRyszard Kramarskiがキーボード奏者として在籍するベテランバンドMilleniumも捨てがたい.加えてThe Adekaemというバンドも. この辺りは,またおいおい..

Here on Earth [Thallium]
Artwork : Przemek Galert


2022-09-20

Evadne [The Pale Light of Fireflies] 2021

 

Band : Evadne
Album : The Pale Light of Fireflies
Year : 2021-12
Label : Solitude Productions
Bandcamp, Facebook, Spotify, @Evadne_Official, metal-archives

スペインのドゥームメタルバンドEvadneの4thアルバム.MVを作成しているのがSwallow the SunやPattern-Seeking Animalsも手掛けるDronicon Filmsという会社で,instagramを見ていて発見 (@metalone).
 

2003年(前身バンドを含むと2000年)から活動するバンドで2007年のデビュー作[The 13th Condition]から5年間隔位でコンスタントにアルバムを発表.隣国ポルトガルにはゴシック界の大御所Moonspellがいるけど,スペインでこの手のドゥーム/ゴシック系は珍しい気がする (単に勉強不足の可能性あり).

アルバムの方はスペイン/南欧らしさは皆無のドラマティックなシンフォニックドゥーム作.往年の北欧ドゥームサウンドを感じることができる王道作.女性ボーカル(Lethian DreamsのCarline Van Roos)のパートは少なめながら,透明感のあるメロディと重低音の対比に重きをおいており,よりメタリックな雰囲気.
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- Evadne 4th "The Pale Light of Fireflies" @ Hepatic Disorder
-- @naka_HD さんのレビュー

Evadne [The Pale Light of Fireflies]
Artwork : Natalia Drepina


2022-09-12

Dol Theeta [Monad] 2022

 

Band : Dol Theeta
Album : Monad
Year : 2022-06
Label : Independent
Bandcamp, Facebook, Spotify, metal-archives 

ギリシャのエレクトロニックアートメタルバンドDol Ammadに参加したメンバー3人による派生プロジェクトDol Theeta. 2008年発表の[The Universe Expands]以来となる2ndアルバム.@Sabbath31Aria さんがツイートされていて復活を知る.

Dol Ammadがクワイアxメタルxトランスであるのに対して,こちらのDol Theetaはメタル成分が幾分か弱めで,スローな曲が多くアンビエントな雰囲気.クワイアではなく女性ボーカルがメインで,そこにスクラッチなども入りEDMっぽさも出ていてメタルっぽさが少ないのが個人的には残念.

前作を聴き直したけど,同じような作風でした……当時は衝撃的やった記憶があるけど,Dol Ammadとごっちゃになってるな,これは.

Dol Theeta [Monad]
Artwork : Thanasis Lightbridge


2022-09-07

Dawnwalker [House of Sand] 2022

 

Band : Dawnwalker
Album : House of Sand
Year : 2022-08
Label : Independent
Bandcamp, Facebook, @dawnwalkeruk, metal-archives

イギリスのポストメタルバンドDawnwalkerによる2022年発表の5thアルバム.この新作情報を見かけて新曲"Coming Forth By Day"をチェックし,気になり過去作をチェックしたバンド (@metalone).
前作に関しては,Dawnwalker [Ages] 2020 を参照.

Opethのプログレッシブデス, Paradise Lostのゴシックメタル,Ghost Bathのポストメタルなどを昇華したような作品.これらをミックスしたアンバランスでカオスなサウンドは,前作と比べても進化していて,退廃的な空気感はSentencedを現代化したように感じる.

ボーカルメロディを大事にしていて,ポジティブな方向への動きはないけど,怒りや悲しみといった感情の流れを男女の歌声で表現しているストーリー性を感じるアルバム.よく言うと聴き応えがあり,悪く言うと聴いていて疲れる,コンセプトアルバムっぽさを感じる深い作品.

曲名でもありアルバムタイトルでもあるHouse of SandはElvis Presleyの楽曲名. 

Dawnwalker [House of Sand]
Artwork : Mitchell Nolte


2022-09-02

Aktarum [Trollvengers] 2022

 

Band : Aktarum
Album : Trollvengers
Year : 2022-03
Label : Art Gates Records
Bandcamp, Facebook, Spotify, OfficialHP, metal-archives

ベルギーのTroll Metalを称する5人組フォークメタルバンドによる3rdアルバム.2005年に結成され,2010年に[Gang of Trolls], 2018年に[Ragnatroll]を発表.前作まではインディーからの発表であったが,Art Gates Recordsと契約し初となる作品.

Troll Metalというだけあって,アルバム名はもとより曲名,そしてメンバー名にもTrollが付いているという徹底ぶり.Trollと言えば,Finntrollを思い出すけど,彼らよりメロデス度は薄めでパワーメタル寄りで力強いスタイル.笛の奏者はいないものの,楽曲中には笛が乱舞しており勇壮な楽曲に明るいノリを加えている.

上記Finntroll以外にもTurisas, Ensiferumなど好きな方にオススメ. 

Aktarum [Trollvengers]
Artwork : Laury Hammer